エンジニア派遣 電気設計/機械設計/システムエンジニアのスペシャリスト「図研テック」
DDS 性能は寸法で決まる!
第22回 コネクタと寸法
2018.03.27

こんにちは、図研テックの藤田です。

今回はコネクタについて書いてみたいと思います。
電気製品のハードを設計する皆さんは、回路設計者も機械設計者もコネクタを扱うことが多いですよね?
基板と基板を接続したり、基板にケーブルを接続したり、ACコンセントから電気をもらう場合もコンセントプラグというコネクタを使いますよね?
ただ、コネクタを使った人は多いと思いますが、コネクタを設計したことがある人は少ないと思います。
私は一度だけ、光コネクタのハウジングを設計したことがありますが、電気コネクタを設計したことはありません。
設計経験はないのですが、コネクタ篏合不良でコネクタ接続成立性を検証したことは何度かあります。
コネクタの設計って寸法公差設計のお化けですね!
昔の通信機器用のコネクタは、コネクタ1個でコンタクトが200ピンぐらいあり、ピンのピッチが2.54mmとか1.27mmとかでした。
1つのコネクタで200ピンもあるということは、その200ピンが同時にコンタクトしなければならないということです。
しかもそのコネクタを1枚の基板に3個使ったりしていたので、合計600ピンのコネクタが一度に挿入されることになります。
市販のコネクタでは2㎜ピッチで1000ピンぐらいのコネクタもありますが、このようなコネクタはちょっとでもピンが曲がると大変なことになります。
またピン数が多いと挿抜力も巨大になるため、基板に挿抜レバーを付ける必要もありました。
コネクタの用途は文字通り電気接続を行う道具ですが、一般製品では電源や外部からの信号を製品に接続したり、
製品内で基板と基板の接続や、パネルに取り付けたインジケータやスイッチと基板の接続などに使われます。
最近の電気製品の通信速度は大きくなるばかりですが、残念ながらコネクタにはピンとコンタクトとか、基板にはんだ付けする部分とかに
電気的な不連続点があるため、高速信号を流すとインピーダンス不整合で信号が反射してしまい、思うように信号伝送できなくなったりします。
そこでコンタクト1か所あたりの信号速度を落とすためにパラレル伝送に変換したりします。

例えば1GHzの信号を1本のコンタクトで通すのが難しければ、信号を10分割して1本100MHzのコンタクトを10個使って伝送したりします。
高速信号をコネクタやケーブルを介して伝送するときには、コネクタの物理的な本数と、コンタクトの電気的性能、
及び信号シリアル/パラレル変換による品質や遅延などを考慮して伝送方法を決める必要があります。
最近はUSBなどのように差動信号を通すコネクタが多くなり、これらはペアとなる信号間に遅延があってはならないため、
コネクタだけでなく基板パターンも含めた等長配線が必要です。
また一般製品と違って通信業者などが使う通信設備では、基板に不具合があって交換しなければならない場合でも
通信を途絶えさせられないので、一般には設備を冗長構成(現用機と予備機の2台を常に動かしておく)とし、基板交換もホットスワップ
(電源を入れた状態で基板を挿抜する)があたりまえなので、コネクタピンの長さに差をつけておき、最初にグランド、次に信号、
最後に電源が時間差でコンタクトするようにしたりしています。
このコネクタのピン長さもハード設計としては気を遣うところで、細くて長いとピンが折れやすくなり、逆に太く短いと十分なコンタクト距離が
得られずにルーズコンタクトになりやすくなります。
今でもPCモニターにVGAコネクタを使うことが多いですが、このコネクタ(D-subコネクタ)はピンが太くて短いのと、
メーカごとに微妙に寸法が違うため、接続不良が起きやすいコネクタでした。
今はHDMIが主流だと思いますが、実は今使っているPCのHDMI-VGA変換コネクタは2代目で、1代目は接触不良で使えなくなったのですが、
どうもD-subコネクタの接触不良ではなくHDMIコネクタの接触不良のようなので、HDMIもメーカ間互換性などを確認する
必要があるのかもしれません。
コネクタも寸法と電気性能が密接につながっているパーツなので、選定するときも、また設計・製造するときも電気屋と機械屋が協力して
十分吟味する必要があります。

さて、長らく寸法にまつわる話を好き勝手に書かせてもらった本メルマガですが、ここで一旦終了させていただきます。
昔の経験ばかりを書いたので現代では通用しない内容もあったかもしれませんが、ご愛読ありがとうございました。
また近いうちに違うテーマでメルマガを書くかもしれませんが、その時にはまたよろしくお願いいたします。


◆執筆者プロフィール------------------------------------------------------------------------------------------------------◆
藤田 哲也
図研テック株式会社 ソリューションエンジニアリング 技監
 1981年沖電気工業(株)入社。無線伝送装置の実装設計、有線伝送装置の実装設計、および取りまとめを経て、
 2002年(株)ジィーサス入社。熱設計・EMC設計・実装技術のコンサルティングや教育に従事。
 2008年から回路・基板・実装に必要なトータル技術を提供する設計サービスに従事している。


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