EMC設計を実現するにあたって、マクスウェルの方程式を覚える必要は全くありません。しかし、マクスウェルの方程式の意味を理解して、電磁気の現象を考えることができるようになることは重要です。div(ダイバージェンス)は発散とか湧き出しを表します。Bは磁束密度(磁力線の束の多さ)を表しています。1番目の式は「何もないところから磁力線の束が発散する」ということです。これは言い換えると「磁力線の束は発散しない」、つまり「磁荷は単体で存在せず、必ずNとSがペアである」ということを表しています。当たり前に皆さん知っている現象です。2番目の式のDは電束密度(電気力線の束の多さ)を、ρは電荷を表しています。よって、「ρという電荷があると、そこから電気力線の束が発散する」ということです。これはクーロン力そのものです。よって、電荷は電磁波の放射源になります。3番目の式のrot(ローテーション)は回転、Hは磁界を表します。(∂D/∂t)は偏微分ですが「Dが時間的に変化している」ことを表しています。Jは電流です。つまり、「電荷が時間的に変化する、または電流が流れると回転方向に磁界が生じる」ということです。これはアンペールの法則です。4番目の式のEは電界です。つまり、「磁束密度が時間的に変化すると、右ねじの向きと反対(マイナス方向)に電界が生じる」ということです。これはファラデーの法則です。マクスウェルは3式と4式が繰り返されることによって、空間を電界と磁界の波が広がっていくと考え、電磁波の存在を理論的に予測しました。一見、難しく見えるマクスウェルの方程式は電磁気の基本法則を数学的まとめあげたものなのです。
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