今まで出てきた電磁気学の法則ですが、EMCで理解が必須な法則は、クーロンの法則、アンペールの法則、ファラデーの法則の3つだけです。どれも学校で習ったものばかりで難しいものはありません。マクスウェルの方程式はその3つをまとめたものです。それぞれの法則の組み合わせで電磁波が発生する過程を詳しく見てきました。自然法則は不変ですので、人間が自然法則に抗うことはできません。EMC設計とはこの3つの物理現象が電子機器のどこで起こっているかを考え、その物理現象を上手く利用して電磁波で問題が起こらないようにすることです。この3つの法則さえ理解していれば、EMC設計はできます。ですから、難しそうに思えるEMCは実はそんなに難しくはないのです。ここまでの話が難しいと感じた場合はゆっくりと図を見ながら読み返してみてください。数式ではなく、事象の意味を理解することが重要です。余談になりますが、マクスウェルは電磁波の存在を理論的に予測したと書きましたが、マクスウェルがいた時代は、電界や磁界は人間が便宜的に作り出したものだったので、その存在を証明するところまでは至りませんでした。見えないものの存在を理論を積み上げて予測したのがマクスウェルの功績と言えます。後に電磁波の存在を実験的に証明したのは周波数の単位にもなっているヘルツという人です。ヘルツは電磁波が後世でこんなに役に立つということは(まさかその上、EMCという問題を起こすことになろうとは)予測もしていなかったそうです。
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