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全3回・EMC設計セミナー開催レポート

2021年1月22日、2月18日、3月12日の全3回、弊社のe-learningサービス『eZラーニング』から、「EMC設計教育 基礎編」を題材にしたオンラインセミナーを開催しました。

各回100名前後のご参加を想定していましたが、予想を上回る数のお客様にご参加いただき、第1回目の「知っていればいいのはこの3つ! クーロンの法則・アンペールの法則・ファラデーの法則」については、リクエストにお応えして2月10日に再配信を行いました。また、第1回の再配信以降は、配信環境の設定を改めて、全3回、延べ約800名のお客様にご参加いただくことができました。改めて御礼申し上げます。

この度、弊社がオンラインセミナーを企画・開催した背景には、従来から技術者向け(特に若手~中堅向け)の技術研修への変わらぬお客様のご関心の高さと、コロナ禍以降は、集合研修に代わる形態としてのe-learningの活用について、ご相談いただく機会が増えたことがあります。

そこで、「教材は設計実務に役立つものなのか?」というお客様のご不安を解消するべくオンラインセミナーを企画・開催しました。

本稿では、

  • セミナー・アンケートにお寄せいただいた質問と回答
  • アンケート結果から見る技術者のEMC設計に対する課題意識と企業における技術研修の取り組みについて

をご紹介します。

セミナー・アンケートにお寄せいただいた質問と回答

多岐にわたるご質問を頂戴しましたが、ここでは、ご質問が多かったもの、原理原則・基礎知識に関するものを抜粋してご紹介します。
本稿でご紹介できなかったご質問についても、全て個別に回答させていただきました。

第1回 「知っていればいいのはこの3つ! クーロンの法則・アンペールの法則・ファラデーの法則」より

Q. GND配線がアンテナになっている場合はどうしたら良いですか?
A. GNDの電位が安定するように、GND層にビアで接続します。できない場合はGND配線を削除する場合もあります。

Q. 電磁波はプリント基板のGND層を跨いで次の層にも伝わるのですか?
A.  基板のGND層は有限の大きさなので伝わります。GND層が広く、電位が安定していれば伝わる量は少なくなります。

GND層を跨ぐ電磁波

 

第2回 「EMC設計とEMC対策の違いを理解する!」より

Q.  両面基板でのEMC設計で気を付けることは?
A.  両面基板の場合はGND層が無い場合がほとんどだと思いますので、信号とGND配線をなるべく近くしてクーロン力を強くすること、GND配線を太くすることなどが挙げられます。

Q. フロントローディングで対策の具体的な手段として、どのようなアプローチが良いでしょうか?
A. アプローチの大枠は、次の2ステップです。

➀ 使用する部品、機能などが決まったら、電磁波の出やすい部品・回路をピックアップし、配置・配線を決める。

➁ ➀でピックアップした部分の配置・配線をしたら、それがEMC設計ルールに則っているかを確認、という方法が望ましいと考えられます。
確認方法は目視の場合と、EMC Adviser EX のような設計ツールを使う場合があります。

 

第3回 「必要なスキルを身に着けてこそツールが生きる!EMC設計の効率化!」より

Q. EMC設計ルールとはなんですか?
A. 電磁波を放射しにくくなるような設計手法をEMC設計ルールと呼んでいます。例えば、パスコンはICの電源・GNDで最短で配線する、電磁波を放射しやすい配線はシールドをする、などようなルールです。

EMC設計ルールとは?

Q. 3m法と10m法の電波暗室での測定結果の相関は取れますか?
A. 3m法と10m法では距離は異なりますが、測定用アンテナの高さは1m~4mで変わらないため、被測定物からの電磁波放射の角度(指向性)によっては相関が取れない場合があります。

3m法・10m法の電波暗室

Q. 基板のGNDは分割するのと、ベタGNDにするのはどちらが良いですか?
A. 状況によってどちらが良いかを判断します。判断基準はどちらがGNDの電位が安定するか、ということです。

Q. 近傍界と遠方界の分岐点はどこですか?
A. 電界と磁界の比(波動インピーダンス)が377Ωになる距離より離れていれば遠方界になります。距離は周波数によって異なります。

近傍界と遠方界

Q. ICの直下をベタGNDにすることは電磁波低減に効果はありますか?
A. ICから発生する電磁波を直近でGNDに結合させることができるので、外に放射する電磁波を抑制できる効果があります。

 

アンケート結果から見る
企業における技術研修の取り組みについて

第1回「知っていればいいのはこの3つ! クーロンの法則・アンペールの法則・ファラデーの法則」のアンケート結果から2つトピックスをご紹介します。

“EMC設計に一番必要なこと”は“技術者のスキルアップ”と回答された方が大多数でした。

続いて、“技術者のスキルアップ”のために、お客様の社内でどのような取り組みがあるのかをお尋ねしたところ、多くの視聴者は、“個々人が有償または無償のセミナーを受講”していると回答されています。本セミナーもその一環であったのかも知れません。

弊社では、スキルアップの取り組みは、技術者個々人の向上心は大前提としても、同じ教材、同じカリキュラムの研修を受講することで、“一番必要なこと”の回答選択肢にも挙げた“社内ノウハウの共有”や“電気設計者と機械設計者の協調”にも効果的であるため、組織的に取り組まれることをお勧めしています。本セミナーの受講をきっかけに、一度、「技術者教育サービス」『eZラーニング』のサービス概要をご覧いただければ幸いです。

 

最後に

本稿の結びに変えて、本セミナーの講師を務めた弊社のEMCエンジニアの濱田のコメントをご紹介します。

「予想以上にたくさんの方にご参加いただき、また、短い時間のセミナーでしたが、多くの方に役に立ったと言っていただき、大変ありがたく思っています。
それと同時に、EMCに関して課題を抱えている方が、こんなにたくさんいらっしゃるということも感じました。今後も皆様のお役に立てるソリューションをご提供させていただければと考えております。」

弊社では、EMC設計に関連するソリューションとして、「技術者教育サービス」『eZラーニング』の他、具体的な製品のEMC設計課題の解決をご支援する「EMC設計支援サービス」をご提供しております。ご興味のある方は、併せて、ご覧いただければ幸いです。

 

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